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平和の旅レポート
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蓮池透講演会+ジャズヒケシin相双 参加応援ツアー

カテゴリー: - admin @ 19時49分00秒

蓮池透講演会+ジャズヒケシin相双参加応援ツアー(2012年3月10日〜2012年3月12日)

1日も早い復興を願う -福島県浜通り、相双地域を訪ねて-

 3月10日〜12日旅システム主催のツアーで表記の地域(相馬・南相馬・双葉地区)を訪ねることができました。初日は相馬市で開かれた、かもがわ出版企画の「蓮池透講演会+ジャズヒケシin相双」に参加しました。オープニングは相馬高校の吹奏楽部で、大震災で大変な中心洗われる演奏が心に沁みました。

ジャズヒケシと相馬高校吹奏楽部の合同演奏


幾重もの大災害、見通しの無い中、懸命に生きる現地の方々

 講演と演奏の間に「相双からの訴え」で4人の方が話しました。小高区で米作りをしている三浦さんは「福島原発から11qの実家は立ち入り禁止で10年は戻れない。3.11で多くのものを失い見通しも無いが、若い僕らが地域を引っ張らねば。農家は安全なものを皆に喜んで食べてもらいたいと頑張っている。

左から杉さん、三浦さん

 「僕は諦めない!」:南相馬で酪農をしている杉さんは「原発事故後の16日、50頭の乳牛を置いて家族7人新潟に避難、しかし21日自分一人戻り1ヶ月牛の世話。1ヵ月後両親が戻り30頭処分して15頭飼育。餌は海外や北海道から。妻と子どもたちは新潟にいて生活基盤全体が大きく乱れ見通しも無い。

 そんな中しぶとく生きて地域再生の運動をしている」:相馬市の海沿いでストアーを経営している中島さんは「相馬・双葉の漁港は津波で崩壊。300隻残るが海水の放射能汚染で漁港は閉鎖。いつ再開できるか見通しなく仲買、小売店、民宿等、東電と交渉中だが我々の生活感覚とかけ離れていて思わしくない。

左から加賀さん、中島さん
 『トイレなきマンション』の意味が今になってわかる。政府、財界が当面の金儲けのために原発稼動は許せない。自然エネルギーへの転換を強く望む」:小学校教員の加賀さんは「南相馬市22校の小中学校で21校が津波から助かるが、原発事故で18校が入れず、間借りやユニット校舎で過ごし、狭くて暑くそして寒く、この1年間子どもたちは大変な思いで過ごして来た。家庭でも学校でも我慢を強いられ、心の傷と丁寧に向き合う必要があるが、避難して生徒数が減ったため教員も減らされ十分な指導が出来ない」と現状の大変さを訴え、その中でも諦めずに地域で頑張ろうしている姿に畏敬の念と深い感動で心が揺さぶられました。

 この日は松川浦という風光明媚な海沿いの旅館「かんのや」に泊まりました。やはり津波の被害を受け1年掛けてきれいに修復した旅館で料理が大変美味しく、感謝しながら味わって頂きました。



被害の大きさを目の当たりにして愕然とする

南相馬市の津波で跡形もなくなった住宅街

 2日目の3月11日、8時半に旅館を出てバスで浜通りの被害状況を見ながら、慰霊祭が行われる南相馬市に向かい、前日の4人の方の説明をこの目で確認することになりました。

たか神社脇に集落を2分して機械的に引かれた警戒区域線引き

 中島さんの案内で津波により壊滅となり、放射能汚染で操業の見通しが立たない原釜港を皮切りに、1年経ってもあちこちに残されている瓦礫の山、海水が浸かったためこれから何年も耕作できない田畑、見渡す限り何も無い住宅地、狭いプレハブ校舎等々改めて被害の大きさに愕然とさせられました。

 特に、たか神社脇では集落を2分して機械的に警戒区域20qの線が引かれていてその地域の方の怒りと悲しみが伝わりました。

 この辺の放射能濃度は0.85μシーベルトで札幌の40倍にもなるとのことです。1年も経つのに政府は何をやっているんだと怒りが湧いてきました。

 しかし、石神小中の仮設校舎で悪条件の中、一生懸命生徒と向き合っている遠藤先生、杉さんの牛舎で生まれたばかりの子牛を見たとき、人間の無限の可能性と光を感じ大いに励まされました。

杉さんの牛舎 生まれたばかりの子牛
 南相馬市民文化会館で行われた慰霊祭には大勢の方が記帳して参加していました。14時46分、大きく長いサイレンの中、私は黙祷しながら1日も早い復興を願い、自分のやるべきことを考えました。

 この晩はいわき市のスパリゾートハワイアンズでフラガールの踊りを観賞し、12日の朝社員の方から、炭鉱閉山から今日にいたる歴史と地域復興の理念を聞いて、帰途につきました。



東電と政府の責任を問い、原発をなくし、憲法を活かす運動に!

南相馬市の慰霊祭記帳
 2泊3日の短いツアーでしたが、昨年の3.11以来の1年間の流れを凝縮した形で振り返えることが出来、更に大震災、大津波、原発事故による放射能汚染、風評被害と幾重もの困難を抱えた現地の悲惨さに愕然とさせられ、しかしこのような困難な中、希望を捨てず地域を興そうとしている方々に大いに励まされ、参加して本当に良かったと思いました。

私に出来ることは、丹精込めて作られた福島産の物を買い、知人にも勧め、泊原発廃炉と憲法を活かす運動を今にも増して頑張ることだと決意を新たにしました。



2012年4月15日
たかさき法律事務所9条の会 上野和子