「韓国平和と交流の旅2018」に参加して (2018年7月2日〜5日)
3度目の韓国、雨のあとの熱い夏の日差しが私たちを迎えてくれました。「西大門刑務所歴史館」「安重根記念館」「南山記念碑」「タプコル公園」「景福宮」などを巡り、韓国(朝鮮)と日帝植民地時代の歴史を見て、聴いて、時には触れてたっぷりと学びました。そして、「ナヌムの家」訪問と日本大使館前の「水曜行動」への参加。素敵な出会いがあり、とても充実した3日間でした。
「ナヌムの家」のハルモニが、お一人亡くなっていてとても残念でしたが、お会いできたハルモニがお元気そうで少し安心しました。でも、やっぱり90歳を超えたハルモニ、足腰も弱くなっているし、少し認知にもなっていると聞き、ハルモニたちが心安らかに過ごせるように、日本政府がハルモニたちの願いに真剣に向き合い、お金の前に、一日でも早く「謝罪」するべきだと強く強く思いました。実現させるために私たちができることは何か? いつも自分に問いかけながら行動することが、ハルモニの手の温かさと私たちに向けられた笑顔に応えることだと痛感しています。
「水曜行動」の参加は2回目。前回は寒さに凍えながら、今回は炎天下の日差しを浴びての参加でしたが、主催者の女性のパワーあふれるスピーチに圧倒されました。一緒にコールの声をあげたとき、韓国の人たちと日本からやってきた私たちとの心が一つになったような気がして、胸がいっぱいになりました。私にもスピーチの機会が与えられたこと、暖かいまなざしで私のスピーチを聴いてくれたことに心から感謝しています。
今回の旅行は、朝鮮半島の歴史が大きく動いている最中(さなか)での旅行で、とても感慨深い印象をもつ瞬間が何度もありました。世界でただ一つ残った、民族が分断された国。私たちを案内してくれたガイドの孔銀庚さんは「私たちは『北朝鮮』とは言いません。『北韓国』『南韓国』と呼びます」と言い、「家族なのに連絡を取るどころか、どこにいるのか、生きているのか死んでいるのかさえもわからない。こんなことは一刻も早く解決しなければならないでしょう?みなさん、そう思いませんか?」と問いかけ、「私たちの望みは祖国統一です。一日も早く実現するように、日本のみなさんも協力してください」と語ってくれた離散家族の哀しみが、切なくて苦しくて涙がこぼれました。
市民一人ひとりが参加した「ローソク集会」から誕生した文大統領には、国民から厚い信頼が寄せられ、希望が託されています。文政権もそれに応える政治を行い、真剣に努力しています。それが国民の目にしっかりと映っていて、本当に素晴らしいと感じました。国民は「私たちの力、民心がつくった大統領」と誇りを持っているし、政権は「国民の心を裏切ってはいけない」と強く決意している。双方の思いがしっかりと結ばれているからこそ、どんな障害も乗り越えて、金正恩委員長とのあの歴史的な瞬間が実現した。なんて、感動的な出来事だろうと思います。
日本では、「北朝鮮はまた裏切るのでないか」というような、懐疑的な見方をする傾向がありますが、韓国の国民は金正恩氏の決意と実際の行動を曇りのない目で見ています。何より、文大統領(政権)に対する信頼が本当に強いと感じました。
国民の信頼を失い、世界の動きも目に入らず、ひたすら歴史逆行に執着する安倍政権、その姿はとても惨めです。この政権を一日も早く終わらせ、過去の歴史に正直に向き合い、ハルモニたちにきちんと謝罪する。そして世界とアジアの平和に貢献する国をつくる。
それが、希望ある日本の未来にもつながると信じます。
記憶されない歴史は繰り返される=@南山公園の碑に記された言葉が心に残りました。そして、安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから≠ニ、広島平和都市記念碑に刻まれた言葉が浮かびました。過去と向き合ってこそ、新しい歴史がつくられるということを胸に刻み、歩み続けたいと決意しています
春木 智江