「三行の希い」の想いを受け、エネルギー問題を考える岩内ツアーに参加して 2016年9月10日(土)〜11日(日)
札幌駅から39名を乗せてバスは出発しました。乗車すると窪島先生が座っていて、ちょっとびっくり!
昨年の9月の「長野平和と文化の旅」で窪島館長から、"愛するひとの1枚の絵"のお話をうかがっていました。戦没画学生が残した愛するひとの絵・・・その物語が歌になり今年は「あの夏のまま・・・」というCDになり普及されています。バスにゆられながら海や山、町なみをみながら涙声の窪島さんの朗読を聞き涙し、若いシンガー&ボイスアーティストの歌ありの中、原子力PRセンター『とまりん館』到着。職員が出迎えてくれたりと・・・。
私は前に一度見学に来ていましたが、随分前でまだ3号機がなかったときでした。職員からは泊発電所などの安全対策などの説明があり、いかに原発の安全性を考えているのかPRで放射能の廃棄物問題が残されたままでした。泊原発が停止し4年が経過しています。でも岩内の地で泊原発NOの運動をしている方の資料によると後志地域のがんの死亡率は非常に高くなっているそうです。この間原発が運転されていなくても道内の電気はまかなわれています。
危険な泊原発の再稼働は絶対必要ない・必要ない!
「ティールームケンブリッジ」での昼食、きのこ王国のお弁当、秋を先取りしたような"きのこずくし"たいへんおいしかったよ。もちろん食後のデザートのチーズケーキと紅茶、10年前にも訪ねていましたが、まわりの景色もタイムスリップしたようで大変懐かしかったです。お土産に買ったチーズを毎日美味しくあじわっています。
午後から岩内の木田金次郎美術館、前にも訪ね歩いていましたが、今回は窪島先生・有島武郎との関係・岩内に美術館がたった経過などのお話しがありまた違った思いで一枚一枚の絵を見ることができました。また岩内の大火ですべてを失ったなかからご家族の励ましを受けて画業に専念したいきさつなど初めて知ることができました。
いよいよ野束の丘「三行の希い」の碑です。昨年の10月建立のご案内いただいていましたが、長野のツアーの後で休みが取れず残念な思いをしてました。1年後このツアーで、この美しい自然のなかでまさか「三行の希い」の碑の建立者・窪島誠一郎さんを迎えておたずねするとは、思ってもいませんでした。大変感激しました。完成するまでのご苦労などがたくさんあったことも、そして岩内の地に建ったことが、水上勉と窪島誠一郎ご両人にとって意義深いものであることを学ぶことができました。
窪島先生は、昨年、参院選で安保法制に反対する統一候補の擁立を呼びかけた「信州市民の会」の設立会見の場で「くも膜下出血」で倒れられたそうです。講演会ではその時の様子をとってもリアルに説明し、ご家族の様子なども話して下さいました。
昨年9月に長野の無言館で伺った戦没画学生に対する先生の思いが大変重みのあるお話しで私などにはちょっとハイレベルでしたが、先生の"あの世の経験"などから、政治の話をすると、しどろもどろになったり、苦手意識があったそうですが、家族の絆・必要とされていて生かされている、自分自身何が出来るのかと先生自身も今どう生きるのか!私たちにとっても老後の考え方など問題提起されたようで、心温まるとてもすんなり理解できるお話でした。
夕食交流会は団体・地域とか特技をもって経験豊かな方々のたくさんの参加があり、皆さんとても元気だった印象をもちました。岩内でとれた魚、海の幸あり、トマトの差し入れなど、とても美味しくいただきました。
2日目は青空のもと寿都の風力発電所見学、私はたいした予備知識もないまま役場の方の説明を聞き、寿都の"地の利"を生かした風力発電が20年近く経過している事を初めて知ることができました。風力発電で得た利益は、何年か前から水道料の補助をしたり、診療所の赤字補てんに使われたりなど町づくりに還元されていて、町民からは大変喜ばれているようです。今年は一世帯12,000円の地元の商店街で使える地域振興券を配布したそうです。うらやましいですね。
昼食時、幸坂順子町議と対話,9人の中で女性議員1人の保守的な議会で、一人で意見や質問したり、広い町を自転車で駆け回っているそうです。日頃のご苦労の一端を伺うことができました。昼食は地元産の野菜や魚の入ったお弁当、おいしくいただきました。
食後の散策では道の駅・浜直市場などでそれぞれお土産を買いもとめたり、海の青さにすっかりみとれたひとときでした。
いよいよ余市教育福祉村、もう20年も移り住んでいるとの事、月日のたつのは早いものですね。菊地大さんが福祉村にいるのは知っていましたが、初めての訪問です。村内を散策しブルーベリーを求めて丘にたどりつけばハンモックがあり、町並みも一望できしばしの休息、ブルーベリーをお腹一杯食べて自然とたわむれることができました。農場で作ったジュースをのんで茹でたてのじゃがいもをご馳走になり帰りは果物を買って2日間のバス旅を終了。楽しかった2日間、学んだ事、見て聞いた事など自分の中の宝物にしてまた次回参加できるのを楽しみにしています。
熊谷 道子