平和と教育を考えるツアー連絡会  
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平和の旅レポート
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昭和の歴史を追体験しよう!−戦争と平和を訪ねる東京の旅―に参加して  2018年10月2日(火)〜4日(木)

 

 私は17歳の頃、東京に住んでいて、演劇「蟹工船」を見た時、最後に立ち上がれないほどのショックを受けた思い出でがあります。それから約50年、小林多喜二に注目してきました。
 今回、多喜二が執筆活動をした七沢温泉福元館に宿泊できることを知り、このツアーに参加することを決めました。また、3日目に両国で自由時間があったので、知人と今後のことを相談しようと考えて、参加させていただきました。

女性運動の先駆者・平塚らいてう
 初日、羽田空港に到着すると同時に、平塚らいてうの会会長である米田佐代子先生がバスに同乗して、らいてうについて深い分析と調査に基づくお話が続きました。らいてう所縁の茅ケ崎(神奈川県)へ行き、夫となった奥村博史と出会った運命の場所、当時東洋一のサナトリウム(結核療養所)といわれた「南湖院」や「らいてうの碑」のある公園内を米田先生に案内してもらいました。
 「南湖院」のあった場所は、現在高級老人ホームの庭園となって一般開放されていますが、職員の方にも案内をしていただき、らいてうのことが施設のひとつの歴史となり、語り継がれていることを知りました。
 米田先生には有形文化財である「茅ヶ崎館」の広間にて、らいてうと博史のことを存分にお話もしていただき、ゆっくりした時間を持つことができました。

プロレタリア作家小林多喜二
 夜は、小林多喜二が逗留して「オルグ」を執筆した神奈川県の七沢温泉福元館に宿泊しました。本館から少し離れた部屋の裏は竹林になっており、今も多喜二が生活していた当時のままに、チャブ台や丹前などがそのままおいてあります。資料もたくさんおいてあり、見学できるようになっています。
 うれしかったのは、夕食のお膳に「おはぎ」がついていたこと。多喜二を目当てに訪問した客には特別に作ってくださるそうです。おかみさんが先代から聞いた話では多喜二は「坂下から特高」が上がってくると「原稿をトイレに捨てて山奥に逃げた」そうです。その話を聞いて本当に苦労して活動したんだなあ〜と実感が持てた時間でした。

戦争を賛美する靖国神社・遊就館
 今までは、近くまで行っても「避けていた」靖国神社「遊就館」を初めて見学しました。本当に戦争に対する反省のないつくりに日本会議の本質を見た思いです。私は批判的に見学して国民に訴えていくことを決意しました。

 他に東京では「女たちの戦争と平和資料館」「東京大空襲戦災資料センター」を訪問しました。加害者の立場・被害者の立場とありますが、どちらも館の方が丁寧に説明をしてくださり、充分に昭和の歴史を追体験することができました。
 平成の時代もまもなく終わろうとしている今、ますます昭和の時代が遠くなっていくわけですが、この時代のことを決して忘れず未来に伝えていかなくてはいけないということを再認識した旅でした。

 最後に、旅システムの青木さんには大変お世話になりました。お料理はとても良かったです。特に、茅ケ崎ではお天気が悪く生のしらすはダメでしたが、海の食事はいいですね。東京でのホテル内のランチはランクの高い内容でした。両国でのチャンコ鍋は多種類をおいしく楽しみました。本当にありがとうございました。

 3日目のフリーは、ホテルからすぐ近くの「江戸東京博物館」を見て、昔の仲間と作家松本清張氏が愛してやまなかった「こけし屋」のビーフカレーを美味しくいただいて、羽田空港でみなさんと合流して帰りました。


  

高橋至弥